頭を撫でられるのが気持ちよくて、
何だか楸瑛が撫でてくれているみたいで…
もっと、と強請る様に擦り寄った時の記憶はあまりないが
あの一言で目が覚めた。
声で楸瑛だとわかった。
楸瑛が最後にもう一度頭を撫ぜ、
出て行ったと判断した後ガバっと音を立てて布団ごと起き上がる。
今、あいつ何て言った?
あ、あああ、あああああ。愛してる…とか、言わなかったか?
一気に顔が赤くなるのが自分でも解かる。否、顔だけじゃない、全身だ。身体が、熱い。
今度は布団の中に戻るとその中で蹲り、まさかまさかと自問自答してみる。
もしかしたら違う人に向けて言った言葉なのかもしれない。
そう思うと胸が締め付けられる程痛くなる。
しかし最後にあいつは「絳攸」って俺の名を呼ばなかったか。
まさか、まさか。
期待と不安で一杯になった頭をどうにかしたい。
もし違ったら、そう思うだけで一気に身体の体温が冷えて行く。
とりあえずベッドから降りて後溜め息を吐く。

「楸瑛の言葉、信じてもいいのかな…」











…短いですね。