差し伸べた手を取った絳攸に胸が躍った。

やはり、私は。



空は一面オレンジ色に染められて
夕日は紅色に燃えている。
絳攸の銀の髪も夕日のせいで少し赤みがかってた。
繋いだ手を離さずに
俯いて
公園を歩いた。
噴水を抜ければ大きな野原がある。
私は決意をしていた。
もぅ、君を…。



広い草原ともいえる芝生が一面に広がる場所に出た。
鮮やかな緑の芝生でさえも今は赤く燃えているようだ。
私は繋いだ手を離すと、絳攸と向かいあう。
不安げに揺れる菫色の瞳がじっと私へと注がれる。
「絳攸…」
名を呼ばれた事に驚いたのか絳攸はピクっと肩を震わせた。
「絳攸、ごめんね。」
「しゅ、うえ…い?名前、おれの名前…。」
はじめは不思議そうに
でも次第にその可愛らしい顔を嬉しそうに笑んでみせる彼女。
…ああ、何故今まで、避けていたのだろう。
どうしてもっと早くこの結論を出せなかったのだろう。
自分が、憎い。
ただ君の傍に居たかった手段が、彼女に辛い思いをさせて、
あんな悲しそうな顔までさせた。
それでも
それでもまだ君が許してくれるのならば…
「絳攸…?」
その声はまるで自分の声だとは思えぬ程の穏やかな声音。
離したはず手を、今度は両手を包みこむように握り
己の口元にもっていく。
「君が好きだ。」
君のきょとんとした顔に、また笑みが零れる。
「え?楸瑛…今、なんて…?」
理解できていないのか、更に問いかけてくる君の瞳にはうっすら潤みはじめていて。
「何度でも言うよ。もう君を悲しませたりはしない。
いつも傍に居る。
私はずっと、何十年も昔から君を。
君だけを愛し続けているんだよ。」
その言葉に大きな瞳を更に大きく揺らめかせ
溢れる雫をたくさん零す。
それをすくう様に私は君へと口付ける。



約束するよ。
私は
君を愛し続ける。
永遠に。
生まれ変わろうとも。
永久に。
君となら
ずっと…









fin

ありがとうございましたー!
かなり無理やりですな。
でも、とりあえず終了です!ありがとうございました!